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結局 「土地」って誰のもの?

「所有権」はただの「概念」でしかない代物だった?


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いつもピカいちのブログをお読みいただき、ありがとうございます。企画宣伝の森戸です。

今日は、私の母の話を取り上げようかと思います。母は昭和16年生まれで、今年81歳になります。前にもお話しした通り、現在は、私の両親はハワイで生活しており、ここ7年ぐらい電話でのコミュニケーションしかありませんが、その母から、私が子供の頃に聞いた話です。母がまだ幼少の頃の東京は毎日、空襲があり、夜もおちおち寝られない始末だったそうで、祖父母は母を含め3人の子供を連れて長野に疎開しました。疎開とは、 空襲の損害を少なくするため、都市部の住民を所縁のある親戚等が住む田舎へと避難することをいいます。長野は祖母の実家であった為だと聞いています。その後、昭和20年8月15日に日本は終戦を迎えます。それを機に、祖父母も東京に帰る事にしたそうです。家に着いてみると、他の家族が祖父母の家で生活していました。途方に暮れた祖父母たちは、住む家を新たに探さねばならなかったようです。現代では、考えられない話だとは思いませんか?でも、このような話は、戦時中の当時良くある話であったようです。

そんな事もあり、今の時代の土地の所有権について、私の顧問弁護士に聞いてみたことがあります。

「なぜ土地に価値があるのか」という話なのですが、 昔の人類は、獲物を追いかけて、いろいろな場所に移動していました。定住しないで生きていると、その場所に執着する必要がないですよね。だから、この段階では土地に意味も価値もありませんでした。やがて、人類は農業を行うようになりました。農業を行うには、一定の場所に住んで、土地を利用しながら作物を作らなければなりません。ひょっとすると、このときに初めて、土地に「価値」が生まれたんじゃないかと、僕は考えています。

と佐藤氏は自論を語っていました。「その場所に居続ける必要があるから価値が生まれる」考えたことがなかった視点になるほど と感心したことがあります。土地が価値を持ち始めると、今度は土地の奪い合いが始まります。そこでみんなで「ここは○○さんの土地だから○○さん以外は勝手に使っちゃダメだよ」という決まりをつくりました。つまり、誰かが土地を所有することを近所みんなで、保証する これが「所有権」という事らしいのです。

つまり「土地を持つ」ということは、法律によって作られた概念=みんなの認識 なんだそう。

実務的な話は、日本には『不動産登記法』という法律があり、不動産登記簿というものに「この土地は誰の土地」と記録していく『登記』というシステムがあります。日本では、これで土地の所有権の証明をしているわけなのですが、争いを避けるためにみんなで作り上げたルールの結果に過ぎないんですね。

戦後のどさくさに紛れて好立地で商売することは可能か?

戦後の混乱期に一定の土地を占拠して、その後もずっと住み続けたり商売を続けたりしているケースは確かにあるのだそうです。某鉄道会社もそのパターンで現在に至っています。いろいろな事情があるのしょう。佐藤氏が実際に関わったケースの話で、戦時中に大陸から強制的に日本に連れて来られた人が、ある特定の場所に集まっていたのだそうです。不安な状況の中なので、同じ国の人同士が集まったほうが、心強いといった事だったそうです。ただ、狭いところにたくさんの人が集まってくるもんだから、本来だったら占拠しちゃいけないところ、たとえば道路にまであふれて住み着いちゃていたのだそう。

正当には認められていませんから、厳しい言い方をすると不法占拠にあたります。ただ、歴史的な背景もあるので、行政もなかなか対応が難しいらしいのです。やはり、今現在、住んでいる人が強いのですね。

あと、こんなケースもあるんです。と教えてもらった話が、

土地の所有者がはっきりしないところに人が住んでいるケースもあるんですよ。これは不法占拠とはちょっと違っていて、登記している人が、到底いま生きているとは思えないようなケースです。不動産登記簿を見ると、〇〇左衛門、みたいな名前で・・・・。そして現在、〇〇左衛門さんの土地に、Aさんがお店を作って、商売をしているとします。でも土地の所有者である〇〇左衛門さん以外の人は、Aさんを追い出すことはできないんです。」

〇〇左衛門さんは、いま生きていないから、誰も追い出せないってわけです。

どうして国の登記簿なのに、そんなあいまいなことが起きてしまうんでしょう。どうやら、その土地は過去に大火事があって、区画整理をした場所だったんのですが、そのときに登記上の整理もれがあったんだそうです。

結論。こんなふうに、所有者がはっきりしない土地は意外とあるんです。東京にもあるでしょうし、地方ならなおさら多いかもしれません。戦後すぐの混乱のなかや、災害時等 登記も完璧に出来ていない事もあるらしいのです。もう早いもので、11年前の東日本大震災においても、土地の所有者がはっきりしていないケースがあるらしいのです。

考え方ひとつで土地の値段が変わる

佐藤氏の元にも山を処分したくて困っている依頼者が何名もいらっしゃるのだそうです。でも、誰も買ってくれないし、自治体に寄贈すると言っても受け取ってくれないのだそうです。

東京駅からの距離を軸にすると、錦糸町駅と田町駅が同じくらいの距離ですが、田町は地価が高く、錦糸町は地価が安い この価値の違いは何なのでしょう。

考え方ひとつで土地の値段が変わるっておもしろいと思いませんか。たとえば有名人が「この街が魅力的!」って言って、ブームを起こせば、高く売れることも考えられます。誰かが評価してみんながそこに住みたいと思えば、人が集まって地価は上がります。逆に評価してもらえない土地は駅前を整備したりして、魅力的だと思ってもらうようにするしかないわけです。だから、無料同然の土地でも将来魅力的な場所になれば土地の価値は上がるのですね。

ネットの発達で土地は必要なくなる?

もちろん、その逆に 遠い未来、人類がみんなコンピューターに脳を直結して、あらゆる快楽を享受する時代が来たとします……。近い話でいうと、いまは職場に行かなくても仕事ができるようになりました。会社は、地価の高い都会に、事務所を借りなくても良いわけです。これは土地の需要のほんの一部ですが、そのうち人が生活するのに必要なスペースがだんだんと少なくなってくるというのは、ありえると思います。最近、南海トラフ地震が30年以内に起こる確率は70%以上だと騒がれています。そうなれば、また土地の所有権のありかが問題になるのでしょうか。

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