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不思議なメガオフィスビル開発事情


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いつもピカいちのブログをご覧いただきありがとうございます。企画宣伝の森戸です。

コロナ収束の兆しがあったとしても完全終息はないのでしょう。発生から3年を経過した今年は、世の中は徐々に健康な状態に戻ると考えたいですね。しかし、コロナ前の生活状態に戻るのかと言えば、現在では多くの人々がコロナ前に戻るとは考えていません。人々の生活のインフラを担う不動産においても、今年は大きな変節の年になりそうです。これまでの成功の方程式が通用しない時代の幕開けです。コロナ禍で大きく変化したのが、人々の働き方と行動様式です。これまで全くあたりまえの行動と考えられてきた「通勤」が、約2年にわたって制約された結果、多くの業種や職種において、必ずしも毎朝通勤をする必要がないことが判明し人々は、会社帰りに立ち寄っていた店にも足を運ばなくなりました。

いまだにクラシカルな会社では、コロナが過ぎ去った後、以前の行動様式である通勤を復活させようという動きもありますが、世の中のトレンドは少なくとも、自宅やコワーキング施設などでのテレワークと、ミーティングやコミュニケーションを主体としたオフィスでの働き方のハイブリッド型に進化しつつあります。すでにJRをはじめ鉄道各社も、通勤客がコロナ前の状態に戻ることがないと予測して、列車本数の削減を検討し始めています。こうした動きで最も深刻な影響を被るのがオフィスビルです。コロナが流行し始めた当初こそ、オフィスビルを解約、面積縮小をするのは中小のIT系企業などごく一部であり、オフィスマーケットには何ら影響はないと、自信たっぷりにコメントする関係者が多くいました。今、マーケットの足元は大きく崩れ始めています。成長を続けるIT系、情報通信系、ゲームソフト系などの産業ほどオフィスを縮小して、リモートとオフィスの併用を行うハイブリッド型の勤務形態に続々と移行していること。

多くが期限を迎えるテナント契約

都心5区(千代田、中央、港、新宿、渋谷)のオフィスビル空室率は6.35%と、貸手借手の優位な立場が入れ替わるといわれる5%ラインを超えて来ています。また港区では8.54%と完全に借手優位な状況に陥っているといいます。街を歩くと「テナント募集」の看板を掲げたオフィスビルも目立ち始めているので皆様も感じておられるはず。昨年には、電通でさえ、自社ビルを売却しています。殆どの社員がリモートワークになっている為、オフィスも会議室もあんなに多くの面積は必要ないのです。

オフィスビル業界では上得意とされる情報通信系やゲームなどのソフトウェア、電機、設備機器などの業種で、解約や面積の縮小が相次いでいます。現在、大規模ビルにいる多くのテナントは、オーナーとの間に3年から5年程度の定期建物賃貸借契約を結んでいます。今年はコロナ前に締結していた契約で期限満了を迎えるテナントが多いのです。既に富士通は、三井不動産が運営する汐留シティセンターをはじめ東京都内で約1万5000坪、横浜や川崎までを含めると2万坪を超えるオフィスを解約しています。リクシルは江東区にある本社ビルを売却、オフィス床を従前の1割、つまり9割削減するという衝撃的な発表をしていました。NEC、三菱電機も同様の動きを始めています。テナントとの契約が今年期限満了を迎えるビルオーナーは、心休まることがないはずなのです。従来オフィス床需要の強い、電気通信系に加え、ゲームなどのソフトウェア系も面積の縮小が顕著。DeNAは渋谷ヒカリエを解約してスクランブルスクエアのWeWork内に移動。座席数を4分の1にしただけでなく、オフィス賃料という固定費をコワーキング施設利用料という変動費に転換しました。ヤフーは赤坂見附の紀尾井タワーやKタワーで計9000坪を解約しました。

需要がないのに、来年以降続々竣工するメガオフィスビル

こんな状態であるのに、来年以降続々竣工を迎える、東京駅八重洲口、京橋、日本橋、虎ノ門、神谷町、大崎、五反田、大井町などの新築大規模ビルが、テナントは奪い合いの状況のようです。私の地元である五反田のレトロなTOCも来年、取り壊しが決まっています。そんな中、今まで、テナントに対して高飛車な営業を続けていた大手デベロッパーがいきなり低姿勢になったとの噂も色々なところから聞こえてきます。六本木ヒルズがオープンして少したった頃、ゴールドマンサックスや、ライブドア、リーマン、グリー等有望株の企業がテナントとして入っていたが、ゴールドマンサックス以外は出て行ってしまったことがあります。そんな時、森ビル担当が、私のところに来て、今なら、家賃1年間はサービスしますと囁いてきたのですが、1年経ったらバカ高い家賃を払い続けるとなると、恐ろしくて引越しなど出来ません。会社の引っ越しは、結構大変です。今のデベロッパーの動きを見ていると、ふと、森ビルの件を思い出します。需要が萎む中、来年から25年にかけて大量供給を迎えるオフィスビルマーケットは大激変の年。今年は住宅税制の優遇が縮小されたことの反動に加え、心配されるのが諸物価の高騰ですね。原油価格の高騰は、ガソリンのみならず、電気代、ガス代の値上げ、物流コストの上昇による配送料等の高騰につながってきます。食料自給率が38%の日本では通貨安は、輸入食料品の値上げに直結します。住宅ローンを抱えている方々の返済は、こうした生活の基礎コストを払ったうえでの返済となります。返済負担感が一層募ってくるのが今年から始まるのです。コロナ禍で国も大盤振る舞いをしてきました。そのツケはやがて増税という形で庶民生活に降りかかるのでしょう。早ければ夏の参議院議員選挙後にも消費税などの値上げが議論されてもおかしくないはずです。私達はこうした動きを冷静に見ながらの住宅購入を考えればよいと思います。今年から、団塊世代が後期高齢者の仲間入りを始めます。75歳以上となれば、どんなに元気な世代でもそろそろお迎えが来る人がでてくるはず。

今年からの数年間は、首都圏でも大量相続時代の幕が開きます。多くの住宅が賃貸や売却に出てくる可能性は高いと思いませんか?中古物件を丹念に物色するとよい物件に出会う確率はこれまでよりもはるかに高くなるのが今年からの中古マーケットだと思います。(ただ、値段交渉は必要)

今年を起点に通用しなくなる「成功の方程式」

最後に今年復活するのが、宿泊・観光マーケットです。コロナによって押さえつけられてきた需要は、今年は大きくリバウンドしそうです。Go Toは旅行会社などの業者救済策であり、この施策を行わなくても需要は十分に跳ねると私はみています。インバウンドは完全に回復するまで2年は必要。海外に出かけづらい状況下で、国内観光は大いに栄えそうです。いっぽうビジネス宿泊については、一部がオンラインに代替された影響は深刻。ビジネス需要の減少でビジネスに特化したホテル、旅館などの苦戦は続くはず。中には業態転換を余儀なくされるビジネスホテルも出てきそうな気配です。ホテル業といえば、コロナで廃業に追い込まれたホテルは、日本だけではありません。明日は、日本人に人気なハワイや、グアムの物件についてのお話をしようと思います。



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